三丁目の夕日

 映画になった。1958年、昭和33年の設定。生まれた年なので、この漫画の長いファンとしては、とてもうれしい。
 しかも東京タワーができた12月には、東京に住んでいた。生後9か月だ。その後、3歳か4歳か、東京タワーに昇ったかすかな思い出がある。
 気仙沼に来て、中三の修学旅行のとき、記憶がフラッシュバックして、とても懐かしい気分になったし、東京タワーのブリキ製のカレンダーも持っていたしね。
 小学入学直前まで東京で過ごし、その後、気仙沼。東京での昭和30年代の高度成長の雰囲気は、その後地方にも広がったので、おれはかなり長く昭和30年代ペーストを味わったことになる。
 小学1年のとき、東京オリンピックがあった。気仙沼小1年生。両親の古里である気仙沼に居を移して約1年。
 ぼんやりと「昔住んでいた街だ」と思った。とても昔のことに感じていた。子供にとって1年はとても、とても長い。
 駄菓子屋、紙芝居、自転車での豆腐屋さん、白黒テレビ、鉄腕アトム、バッタ(メンコ)、馬跳び、運梯、フラフープ…。もちろんその裏では、公害もあったけど、いい時代だったのかもなあ。