サンマ船遭難から18日

 16人の乗組員のうち5人の遺体が発見され、そして今1人がDNA鑑定に回されている。
 正直言ってもはや他の10人の行方不明者の生存の可能性はかなり低くなった。やりきれないのう。
 気仙沼で過去最悪の海難事故となった。さまざまな悪条件が重なった。「天災」「災難」という言葉で片づけられない側面があることを直視しなければいけない。
 夜、船の甲板から誤って海へ転落。叫べど、声は届かず、船は去る。海に残され、死を覚悟したときの船員の無念さはいくばかりか?救命胴衣を着用してなかったばかりで、無情の死を迎えた船員は多い。
 世界一危険な職場に「いざ!若者よ来たれ!」と言えるか?そう指摘したことがあった。
 今回の事故。防げる余地はなかったのか?天災で済ませていいのか?あの荒海に放り出されたら救命ボートも救命胴衣も役立たずだったのだろう。しかし本当に「仕方ない」でいいのか?よくない!人事を尽くさなければ、海に殉じた男たちの死を無駄にすることになる。

 にしても1人でも奇跡の生還をしてくれないものか。あの日の夜と同じく、今日も横殴りの雨が窓を叩いている…。