板倉

 といってもお笑いコンビの片割れでなくて、脱穀した後の籾(もみ)を収納した、文字通り「板」の「倉」。
 外板(30センチごとに立てた5寸角の柱に溝をつけ、杉板を縦に落とし込んである)と、中板の間に籾を保管した。
 取材で訪れたのは、江戸時代後期文久元年、今から146年前の、気仙沼市では最も古いことが確認されたもの。
 今は農機具などの保管庫になっているものも多い。
 杉板は吸湿性があり、しかも板を落とし込む工法は耐震性も高い。火事のことを考え、母屋から離れた位置にある。
 気仙沼には100棟ほど残されており、うち保存状態のいいものや、景観上価値のあるもの6棟を登録文化財として、市内の民間団体が国に申請中だ。
 リアス式海岸のつくった狭い土地に民家が密集する気仙沼の中心部は、たびたび大火に見舞われた。それが街中に、趣きのある土蔵を幾つも残した。
 そして郊外には板倉。
 写真は同じ階上地区にある板倉。リフォームしており、映画のセットのような佇まい。
 気仙沼湾越しに、大島が見えて、なかなかおつな景色です。
 
 電柱が邪魔なのが難点だけど、絵になるね。