せわしない、つぶやき

 電車内をはじめとする公の場。
 耳にはイヤホン。プラス携帯でのべつ幕なしにメールしたり、最近ではツイッターでつぶやいたり、みんなが自分だけの、薄いベールに包まれた空間にいるような風景がごく当たり前になった。

 「週刊誌や新聞、小説読むのと同じだ」と言われれば、そうかもしれないが。

 ちょこっと「つぶやいて」、また現実の社会に戻るーという人が大半だと思うが、若者なんかは、もう視線を携帯から上げることがないという感じの子もいる。

 やはりどこか、何かが癇に障る。耳を塞いで、目は携帯の画面。ついでにマスクで口と鼻を覆っていれば、外界と遮断できるのか?
 折からの猛暑。露出過多の服で、皮膚は無防備だけど。

 気仙沼辺りで、のんびり風景でも眺めながら、ちょこっと、つぶやいてみる。そんな感じは悪くないが。

 東京は絶対に、遷都して、いろんな密度を下げるべきだと思う。この間のテレビドラマ「帰国」(本当は旧字体)。多少、異論はあるが、今の日本を見た英霊の嘆きはよく分かる。