ヤバイ!

 最近肯定的に使われていると指摘された「ヤバイ」。これは「全然」と同じ構図なんだよな。どちらも否定的な意味から誤用されているというけど、それは少し違うと思う。
 「全然、大丈夫」と「全然 大好き」とでは後者に違和感がある。でも前者は違和感がない。
 なぜか?まあ指摘というほどでもないが前者は「全然そんなことないよ。大丈夫だよ」という、省略された「否定」が分かりやすいからだ。
 「ヤバイ」も「こんなにおいしいと病みつきになっちゃう。それは困るって大げさに言いたいほどヤバイ」という「否定」が隠れている。
 それが少しずつ「否定」の省略がなくなり、初めから肯定的な意味合いとなる。「ヤバイ」=「素晴らしい」と。
 まあ年を取って来たので、なるべく「省略サンドイッチ」会話ではなく、言葉を磨くためにも、先人達が四苦八苦して発見してきた言葉を大事にしたいが、まあ言葉とはうつろうものだとは思う。
 写真はリアス・アーク美術館の玄関脇。この美術館、へんてこな空間、景色があり、光と影の具合で飽きない。
 いとおかし。