夏の思い出

 続々と帰省中。夏というと、思い出す音がドイツプログレグループ「ノヴァリス」。このアルバムは彼らの二枚目で「銀河飛行」。現代版ドイツロマン派といった趣が顕著になった佳作。
 この次の「過ぎ去りし夏の幻影」とともに彼らの魅力を一番味わえると思う。
 実は「銀河飛行」はレコードで持っていなかった。今回、紙ジャケ+ライブ音源ボーナストラック付きでリマスターCDが発売になったので購入。
 25年前に購入し愛聴しているライブ盤「コンサーツ」には、2ndと3rdから選曲されていて、それは私の東京での学生時代の夏に直結している。
 うだる夏の暑さが、少しだけ緩む深夜から未明にかけて「コンサーツ」をターンテーブルに載せた。
 A面は、ラベルのボレロで始まり、2ndから選ばれた「惑星誕生」「宇宙絵画」「銀河讃歌」「夢幻飛行」が収録されている。B面は3rdから「不思議な宝物」とハイライトの「夏の組曲―暗雲・海辺で・夢・新しい陽光・光の中で」。
 今回、2ndを手に入れて、音色や演奏がかなりオリジナルに忠実に再現されていたことを知った。フルートの音色だけは少し違うけど…。
 それと邦題「夢幻飛行」などは意訳で、ドイツ語を直訳すれば「セミの笑いが聞こえる人は」、「宇宙絵画」は「草原が緑に染まった」…うはは!ほら出た、昔の嘘八百の意訳(^_^;特に「セミ〜」は傑作だわな。
 歌詞を読むとなかなか趣きが深い。「セミの笑いが聞こえる人は 雲がどんな味かを知っている 月明かりの中 恐れもなく 夜を見いだす 自らの中に未知を見いだし 行動する勇気があるなら 人は次第に恐れもなく 自分自身を発見する」。うーむ哲学的だ( ̄− ̄;) 
 実はアルバムタイトルはグループ名の「ノヴァリス」。ドイツロマン派の詩人の苗字だ。「銀河宇宙」とは何の関係もない。彼らのスペースサウンド的な音で。こういう嘘タイトルが平気で付けれていた「古き良き」時代であった。
 個人的には早く「過ぎ去りし夏の幻影」と、何より「コンサーツ」をリマスターCD化してほしい。2ndがリマスター化されたから、期待している。