ねつ造

 朝日新聞の長野総局の記者が、新党日本党首で長野県知事田中康夫氏と国民新党亀井静香氏の会談を、取材もしてないのに、会談の内容をメモで提稿。虚偽というか、完全なる作り話が紙面に躍った。
 正直言って「またか」。懲戒解雇になった28歳の記者は「田中知事に食い込んでいることを示したかった」うんんぬんと語っている…。
 結局、朝日新聞記者が、左翼、民衆の味方を標榜していながら、自らがマスコミという権力に易々と寄りかかっている、その根っこが見える気がする。
 小さな田舎新聞の記者である私とて、「なんで取材に答えられないんだ、この小役人め!」などと心の中で毒付いて、必要以上にとげとげしい取材態度をとってしまったことも多々ある。ただしそれは、やはり報道の自由と、あくまでも市民が直接聞けないことを代弁しているという「自負」だと考えている。権力を振りかざすことではないと弁解はしているけど…。
 ただ、今回はありもしないことをねつ造したのだ。本当にこれは「解釈の違い」とか「ミスリード」「取材態度が横柄」とかとは訳が違う。虚偽だ。
 北朝鮮を賛美し、中国の言い分を鵜呑みしてきた、朝日新聞の体質が、サンゴ落書きねつ造、そして今回の事態を招いたと考えざるをえない。ごまかしがもう利かないないのではないか?
 しかし。NHKとの泥仕合にしても、朝日新聞への不信感が膨らむ一方だ。別に私も、私の属する新聞社も商業紙であり、聖人君子ではないが、ちと朝日新聞はひど過ぎる。自ら正しいと信じていることならば、嘘をついてもいいし、事実をねじ曲げてかまわない。どこぞの国に似てないか?