ポールの新作
今さらのポール・マッカートニーだが、新作が出た。「Chaos and Creation in the Backyard」。
ジャケットは、ビートルズがデビューした1962年にポールの自宅の裏庭で撮影された。窓越しに弟が撮影したものだという。だから「裏庭における混沌と創造」なのだろうか(^_^;
前作から4年ぶりの新作。全15曲(日本盤ボーナストラック、シークレットトラックを含む)。
歌とベースはもちろん、ギター、ピアノ、ドラム、効果音などほとんどポール1人で演奏している。
正直言って前作は凡作、その前もイマイチだったので、来年で64歳になるポールも、そろそろ本当に終わりかな―と思っていた。
今作を初めて聴いたときも、メロディーラインにポールの手癖があり、いつも彼には、目新しい驚きを求めてしまうファンなだけに、軽い落胆があった。あまりに多くの作品を発表してきたポールだけに仕方がないことなんだけどね。
ところが聴くにつれ、なじんでいく。そして昨日、スペシャル盤を購入したので、そのDVDを初めて見ていると、ころっと印象が様変わりした。
レディオヘッドの傑作「OKコンピューター」を制作したナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎え、ナイジェルが「ポールの最高傑作にしたい」と意気込んだこともあり、手癖もなんというか「無理クリ」という印象というよりは、年輪を重ねたベテランミュージシャンの「味わい」に見事に着地させている。
音の取捨選択も見事だし、ポールの「垂れ流し」嗜好(笑)に、何度もノーを突きつけたようだ。やはり、天下のポールに対してきちんと「ダメ出し」できないとだめなんだよなあ。偉いぞ!ナイジェル。
ポールが言うように「ジョージ(ハリスン)が書いたような曲」「ランディー・ニューマンをイメージした」「ブラジル音楽をベースに、今まで体験した素晴らしい音楽のエッセンスをぶち込んだ」というインタビューがいい。
という訳で1か月かかって、愛聴盤になってます(^ ^)