ロバート翁の名作

 キング・クリムゾンを一度解体し、初のソロアルバムとなった「エクスポージャー」。1979年のこの作品は、何とボーカルにダリル・ホールが参加。当時は、クリムゾンとホール&オーツの音楽性の違いから、面食らった人も多い。かくいう私もそう(笑)
 今回、御大自らが陣頭指揮を執り(いつものことだけど)リマスターCDが発売された。
 2回も発売が延期された。忘れたけど、予定より4、5か月は待たされた。
 しかも届いたCDの封を切って驚いた。「えっ?同じCDが2枚?」と思ったが、1枚は見開き。「?」
 ライナーを見ると、通常の形態のやつは、オリジナルCD。見開きは85年にリミックスされ初CD化されたもののリマスター。しかも
 79年に発売時に、ダリル・ホールのイメージダウン(笑)を恐れたレコード会社により、オクラ入りとなった名曲「メアリー」のホール・ボーカルバージョンなどがボーナスバージョンとして加えられた。
 このホールの「メアリー」は絶品!オリジナルの女性ボーカルも悪くないが、ホールの才能がほとばしる名唱!

 それと思わぬプレゼントも!
 この「エクスポージャー」にはピーター・ガブリエルがゲスト参加し、自らの傑作ナンバー「ヒア・カムズ・ザ・フラッド」を歌っている。彼のファーストソロのオリジナルヴァージョン、ベスト盤に収録されたピアノソロヴァージョンもいいが、この「エクスポージャー」ヴァージョンが白眉だと思う。

 しかし今回の見開き盤には、3バース目まで、ロバート翁のフリッパトロニクスの音がかなり低めに抑えられ、ガブリエルの神々しいボーカルがさらに際だつ、わびさびのリミックスが施されているものが収録されている。おお!83年のCD化の際に、こうした絶妙のリミックスを施していたのだね。知らなんだ。
 これこそが理想型だ!この曲を愛する人には、ぜひこのヴァージョンを聴いてほしい。深い感動に包まれます。