バタークリーム・ケーキ

 昔、クリスマスケーキといえば、生クリームではなくバタークリームだった。安くて、日持ちがするーという理由だろうが、生クリームなんぞ食ったことがない(シュークリームもカスタードクリームだったしね)田舎の、平均的なガキにとっては、それはそれはとても美味しかった。
 次の日、残しておいたケーキの半分はロウのように固まっていたけど、それもまた「おつ」であった(笑)
 で、気仙沼市内のケーキ屋さんが、バタークリームのクリスマスケーキを限定生産しているというので、食い意地については、娘の次にパンパンに張っているガイが買ってきた。
 感想は、あのねっとりを通り越して、べったりとした独特の感触が、「ああ、これこれ!」
 味は、バターなどの品質も向上しているのだろう。子供のころ食べたのよりは確実にうまい。とはいえ、子供のころに目をランランとさせて食らいついた、そのシチュエーション込みの比較できない「おいしさ」とは違うけどね。
 初めて食ったゆーたの感想は「クリームサンド、特に黒糖の方みたい」という感想。
 おお!気仙沼名物、クリームサンドかあ!食感は似ているかもしれないなあ。
 残して、昔ながらのカチコチになったバタークリームを堪能しようとまでは思わなかったので、平らげた。
 でも何となくまた食ってみたい。味覚と嗅覚は、視覚とは違い保守派だそうだ。とくに私はもうゴリゴリの保守派だ。
 昔懐かしいもの、なじんだ味が一番いい。
 銀紙を貼り付けたボール紙で作った長靴。サイコロキャラメルとか、ライスチョコとかが詰まっていて、とてもとてもうれしいいクリスマスプレゼントだった。
 ちょび貧乏な方が、うれしさ、楽しさも倍に感じる。