道路特定財源

 暫定税率をずるずる続けて、しかも道路族議員と関連業界がさんざんいい思いをしてきたのは非難されるべきで、一回チャラにするというのは筋だ。
 しかし地方にとっては大切な財源。まあ、一緒くたになっているのも問題ではあるのだが、そこの議論は時間を掛けて再構築する必要がある。今年3月末で道筋を付けるのは幾らなんでも無理だし…。
 例えはやや雑ぱくなのは勘弁していただくとして、「ボーナスの本来の意味は、利益が上がった分の還元。だから来年からチャラね」と言われたら、大方のサラリーマンは途方に暮れる。地方の道路整備も同じだ。
 私もだが、住宅ローンもボーナスをもらえることを前提に返済プランを決めてある。会社の業績が悪くなり、減額は致し方ないとしても、その他の収入を得る手段がないと大いに困る事態に陥る。実質的に年収の一部になっているからだ。
 サラリーマンは、ほぼ100%所得をお上に掌握されており、極めて確実に税を徴収されているしさ。
 人口4000人近い大島への架橋建設がさらに遅れる(県が狡猾に、財源不足のまたとない理由に利用するという、うがった見方を加味しても)、それだけは阻止したい。
 第二東名高速道路なんかは全くの無駄遣いだと思うので、自民党案に諸手を挙げて賛成なんかはできないが、民主党の「ガソリン値下げ隊」も単純に喜べない。いつでもそうだが、考えが浅すぎると思わざるを得ない。政局にしたいだけ?
 道路特定財源の継続に反対している、SM党の地元代議士も、「必要な道路はつくります」と、とある団体の新年会で、苦しいあいさつしていたしね(笑)
 
 宮城県の極北、岩手県にめり込んだ形の気仙沼に住んでいると、お隣の岩手県南部の道路整備の良さを見せつけられて愕然とする。気仙沼に長らく君臨した代議士は、全く持って政治力がなかった。唯一の貢献は、その政治力のなさゆえに、新月ダムが廃案になったことだろう。上流に、一関市室根町(当時は室根村)があり、生活雑排水が流れ込む、その下流をせき止めたらどうなるか?そのほか鉄分など、森の「ミネラル」が気仙沼湾に注がなくなる危険性もあった。皮肉だが、大変良かったことだ。
 話が脱線した。なぜ、岩手県南の道路整備がいいか?そりゃあ、ある大物政治家のお膝元だからと、勘ぐるのは見当違いだろうか?
 その政治家は今、民主党の親分をしていらしゃる。彼の地盤の道路は、そりゃあ立派なもんだ。旧川崎村に架かる橋と、その巨大さに目を回したループ橋の予算の一割でも大島架橋建設に回してくれたらなあーと今でも思う。
 あっ!そうか。岩手県南は道路整備が済んだし、三陸縦貫道も宮城県内が、もたもたしている間に整備がスイスイ進んでいるし、道路整備なんて時代遅れなんだ!
 都会と同じなんだ。いいなあ。でも他の地方はどうなんだろう?道路特定財源堅持を訴える集会に、民主党からも議員が三人ほど駆けつけたというし、他の地方出身議員の心中も、ここに来て穏やかじゃないみたいだね。民主党は、地方の反発の大きさにやっと気付いて、早くも路線変更する可能性もあるみたいだ。いやはや。政権奪取なんかできるのだろうか?
 政界再編して、さっさとガラガラポンしたいもんだ。
 
 西日本じゃ、人口300人の離島にも立派な橋が架かっている。それなのにたった300メートルを結ぶ橋が架からない。しかも金ないから、本土側アクセス道路は狭い県道を全面改修できず、所々に待避所を造って、なんとかしようと涙ぐましい努力してんだぞ。
 東京のど真ん中のテレビ局、新聞社にいて、「日本に道路なんてもういらないじゃないの」という本音がちらつく、キャスターや記者よ!この現実を見てから、ご託を述べてみな。