36年目の夏


 CDやレコードとして個人的に所有している曲としては、キング・クリムゾンの「21世紀のソチゾイド・マン」が一番多い。でもそれは、1969年の「クリムゾン・キングの宮殿」に入っていたオリジナル以外は、あまたのライブ音源とリマスター音源で20曲ほどあるーということ。

 さて、今回購入したのはマイク・オールドフィールドの名作「チューブラ・ベルズ」の、(1);「2009年リミックス」(写真右上)と(2)「1973年オリジナルリミックス」(写真右上から2番目)とDVD映像のスペシャルパッケージ。

 本人の了解なく使用されたといういわくがある、映画「エクソシスト」のテーマソングとなった、あの印象的なフレーズを主旋律とする45分の大曲だ。

 「チューブラ・ベルズ」とは、NHKのど自慢の、あの「キンコンカンコン」の筒状の鐘だ。
 
 (1)はまさにリミックスで、オリジナルを洗練させた感じ。タイトルである「チューブラ・ベルズ」の音が、オリジナルではリミッターを振り切ったようなビビリ音が全くなくなっている。コンピューターで補正したのだろうか?とにかく清明な音だ。
 
 (3)は写真下段右から2番目の「発売25周年アニバーサリー盤」(1998年)のリマスターCDと同じ音源。ただ今回は高品質盤(SHMーCD)。

 さてそれ以外は、(4)写真右端下は「2003」。これはリマスターでも、リミックスでもなく、何と「新録」!使用した楽器もほぼ同じだが、シンセサイザーの音など新味もある。

 (5)写真下段左から2番目は、「チューブラ・ベルズ2」(1992年発売)。これはオリジナル(パート1、パート2)の続編といった感じの新録。トレーバー・ホーンと共演している。ディスコ調を取り入れたり、「オマドーン」で聴かせたアフリカンな風味もある。なかなかの力作だ。

 (6)写真下段左端は「チューブラ・ベルズ3」(1998年)

 これも続編。バリエーションは豊富になり、クラブミックス、他のアルバムの収録の名曲「ムーンライト・シャドウ」の姉妹曲とも言える「マン・イン・ザ・レイン」という女性ボーカルの曲もある。

 (7)写真左端真ん中は「オーケストラ・チューブラ・ベルズ」。ロイヤル交響楽団による演奏。マイクも録音に参加している。

 (8)上段左端は、「ミレニアム・ベル」(1998年)。「2」「3」の続編だが、マイクが紡いできた音楽を、チューブラ・ベルズを基調に、混ぜ合わせた感じがする。

 (9)そして真ん中にあるのが、オリジナルLP。何度針を下ろしたことか。

 それにしても「エクソシスト」は罪作りだなあ。たまにテレビで、オカルトチックな場面や、ミステリアスな話題などで、この冒頭のフレーズが使われる。

 しかし全体像は、深く、どちらかといえば牧歌的でさえある。一度でいいから「パート1」「パート2」通して聴いてほしいなあ^_^;