「もう1年」というのと、「まだ1年」というのと、両方の感覚が同居している。8日、母の命日。薄曇りながら、湿度が高く、汗をかきながら墓参りをした。

 夜、カツオとイカの刺し身と、ホヤ。カツオはやはりうまい。脂の乗った戻りガツオは、個人的に刺し身ランキングで不動の1位だが、今の時期のさっぱりカツオももちもちとした食感がより楽しめる。

 
 勝手に刺し身ランキングは


 1、戻りガツオ
 2、冬のメカジキ
 3、初夏のビンナガ(ビンチョウ)
 4、ミナミマグロの中トロ
 5、サンマ


 東日本の太平洋側の人間だなw

 
昨日も食べたがホヤは本当にうまい。ホヤ養殖の発祥地は気仙沼市唐桑町ヤマブドウの蔓にホヤが繁殖しているのを発見した漁民が、改良を加えた。こうして、おいしいホヤが食べられるのは、そのパイオニア精神と、試行錯誤を繰り返した、名も無い漁民の創意工夫、粘り強い努力のお陰だ。

 この間取材した石巻市万石浦は、近代的カキ養殖発祥の地。全国一の種ガキ生産地だが、実は欧米でカキが壊滅的被害を受けたときに、その危機的状況を救ったのが、万石浦の種ガキだった。DNAを調べれば、全世界のマガキの9割が、万石浦に辿り着くという。ミトコンドリア・イヴならぬ、オイスター・イヴである。

 お隣の女川町は、ワカメ養殖発祥地。小乗浜という小さな浜に石碑が立っている。宮城県発祥の冷やし中華に女川産ワカメを具に加えたのを、町内11の飲食店で「おながわ冷や中」として7、8月、独自メニューとして提供している。ワカメと冷やし中華の相性は良く、私が食べたお店のは、なかなかのもん。暑い日にはバッチリ。しゃきっとしたワカメの食感もいい。

 気仙沼市の南隣、南三陸町は銀ザケ養殖の発祥地。さすが三陸。海の幸を生かし、生かそうと頑張ってきたのがよく分かる。

 

 「1番の必要があるんでしょうか?」「2番じゃだめなんでしょうか?」


 愚問だ。パイオニアがいなければ、世の中進歩はない。そして、1番を目指し努力するからこそ、モチベーションが保てる。何もGNPや、国民所得や、そんなことを言っているんじゃない。その辺を乱暴に矮小化する、その言い回しが、とても傲岸だと思う。

 
 小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルに微粒子数十粒が見つかったという。
 数々の、絶望的危機を、人間と機械が力を合わせて乗り越えて、地球に帰還しただけでも、歴史的快挙だが、微粒子の中に小惑星イトカワ」のものがあれば、それは快挙に大きな花を添えることになる。人類史的な快挙なのだ。

 
 まさにナンバーワンの技術力の成果なのだ。イオンエンジンの実用性を実証しただけでなく、創意工夫、不断の努力、二重三重のフェイルセーフ…。まさにパイオニアとしての気概が横溢している。期待して待とう。