ソバ畑 

取材で、気仙沼奥座敷、八瀬(やっせ)地区のソバ畑へ行く。昨年から、中山間地区の振興策として、取り組んでいる。
 海からわずか車で15分のところだが、周りは里山リアス式海岸のなせるわざか、谷間が深く、奧へと細く川沿いに沢が続く。
 田んぼも真四角は少ない、楕円形だったり、ソラマメ形だったり、先人の苦心が浮かばれる。ソバは昔から各農家で栽培していたという。痩せた土地でも育つ丈夫な穀物なのだ。飢饉のときなどに備えておいたのだろう。どの家にも石臼があるという。
 だからソバ栽培復活は理にはかなっているのである。昨年の試食会での新ソバはうまかったし。
 今年の目標は、一つはきちんとソバ打ちの技術をプロから学ぶこと。生産拡大に向けて、ソバ粉を使った菓子類とか、国道284号に近い将来できるであろう「道の駅」で販売する商品を開発することなど。課題はあるけど、頑張ってほしい。
  ソバの花は、白い可憐だ。しかし意外だったのはソバ畑の匂い。あの新ソバの馥郁たる香りではない。正直言ってよくない。栽培農家の人いわく「かすかに下肥のような匂い」が漂うという。
 ソバの、あのふくよかなすがすがしい香りはもしかしたらスカトールの微量な匂いもいくらか含んでいるのかも(^ ^)
 考えてみれば、鯨の耳カスとか、動物の糞とかも薄めりゃ香水の基になる。
 不思議なもんだ。