予定調和

 と言うわけでもなかろうが、まあ大方の人が「そうなのかあ。まあなあ」「でもなあ」「うーん」「まあ今回は」「しかしねえ」「いやいいじゃないの」というような反応。
 こう書くだけじゃ何にも分からんけどね(^_^;

 つまり旧気仙沼市長だった鈴木昇氏が5氏の混戦を辛うじて制し、初代の合併気仙沼市の市長になった。
 その反応が市民それぞれ複雑な思いで認識している。
 現状維持を望んだ人。
 政治の流れを変えたかった人。
 
 という二極分化ではなく、その中間の人が多かったようだ。

 そんな思いの中、選挙上手な鈴木氏がしのいだという感じだ。
 昨年6月の旧気仙沼市長選で革新系候補に3000票差まで迫られ、その後300回のミニ集会を行った。
 人は「ご用聞き」と揶揄した。その指摘は正しいが、しかし、彼には9か月後の今回の混戦が頭にあったはずだ。
 選んだ作戦は、どぶ板が原点である彼の政治的手法から見てベストな選択であろう。なんせ何度も修羅場を経験している政治家だ。
 幸運なことに、昨年は誰も手を上げなかった。その間、現職の利を生かし、着々と彼の最大の武器である人脈を修復し、ある地元新聞は批判を最小限にとどめた、まるで市の広報紙のような機能を果たしてくれた。
 市民が選んだ。しかし7割は鈴木市政に「ノー」もしくは「?」をつけた。
 mixiでも同様のことを書いた。
 4年間、市民は市長の一挙一投足を見つめていかねばならぬ。ポスト鈴木選びに失敗は許されないからだ。
 選挙戦を終わって思う。鈴木昇さんには選挙期間中ですら「殺気」というものがない。この円月殺法のような選挙上手に勝つには、よほどの人物、準備、市民の決意が求められる。
 現職ゆえ批判されて当然だし、リーダーとして物足りない点は否めないが、鈴木市政には評価すべき点も多々あった。
 他の4候補にもいい点があれば、意外な欠点もあった。
 本吉町との合併へと進むだろう今後、市民はとても重要な選択をふたたび迫られる。
 
 鈴木氏は25歳で市議になり、その後県議に転身。国政選挙で負け、出直し県議選でも続けて負け、崖っぷちで市長の座を射止めた。
 37年間のキャリアのある「職業政治家」。資産家でも、政治家一族でもなく、高学歴でもない。
 気仙沼市の中心部の「だんなさま」でもない。支持者にはほとんど有力者がいない。そこが強みだね。
 選挙に勝たないと政治家になれない。逆に、有権者は、政治家として引退していただくには、選挙で落とすしかない。
 このことを胸に刻み、次代を担う人は今から4年後を目指してほしいぞ。