脳ドックはイエス?

 前にも書いたが、妹が42歳という若さでクモ膜下出血に見舞われた。退院後、順調に回復し、後遺症もほとんどなく社会復帰できそうで、これは神仏に感謝する以外はない。
 ところで、このクモ膜下出血という致死率50%の悪魔。脳出血の中でも、毛細血管から出血するのではなく、水道管でいえば本管が破裂するから、死亡率が高く、助かった半数の半数(つまり全発症者の4分の1)に後遺症が残るというものだそうで、知れば知るほど恐ろしい。
 しかも動脈瘤は破裂の危険性が高くないのを含めると4~6%の人にあるという。うわっ!
 さらに追い打ちをかけるように家族性がとても強いという。遺伝性と言い換えてもいいが、兄弟だと、一般的な発症率(10万人当たり24〜25人というのが最新のデータ)の6倍という。うわっ!その2
 「親父も糖尿だったから、気をつけないとなあ」という会話をよく聞く糖尿病でさえ家族性は2倍。6倍というのは実に飛び抜けた関連性だ。
 生来の小心者なので、これを機会にと思い脳ドックを受けることにした。
 受けることにしたのだが、これがまた結果が心配で、ドキドキもんだった。
 出血は動脈に風船状にできた皮の薄いコブ「動脈瘤」が破裂して起きる。
 「動脈瘤があったらどうすべ」(うわっ!)
 「いや、破裂寸前の動脈瘤があれば予防手術受ける決意もあるが」
 「小さなものだと、破裂予防の手術の失敗率(後遺症が残るを含めて)の方が、破裂する確率より高いというジレンマがあるという」(うわっ!)
 「血管内治療といって、こぶの中に微細な金属製コイルで埋める方法もあるが、歴史が新しく、完全に予防できるかには疑問もあるという。もちろん誤って血管を傷つける可能性もなくはない」(うわっ!)

 などと心の中で「うわっ!」を連発し、ふと気付けば上の空。そんなチキンハートな毎日であった。
 で結果は、とりあえず白。MRIでは隠れ脳梗塞の跡などや、脳の萎縮もなし。脳血管の形だけを浮かび上がらせるMRAでも異常所見はなかった。
 まあとりあえずだけど、いちいちくよくよしたり、心配の種を抱えているよりは数段にましな気分だ。
 認知症や診察などを省いた、エコノミーコースだけど2万5000円かかった。でも安心料としては高くはないかも。
 検査は15分ほどで終わるが、ある人いわく「工事現場みたいな騒音に驚いた」と言うが、何せハードコアパンクも目じゃっない、無調のノイズとしか感じない人もいるインダストリアル・ロックでさえ好きなオレだから、そのゴーン、ビーン、ギュルリィィ、キーンという音はまさにノイズ系ミュージックとして心地よく、つい、うわっうわっ…もとい、うとうとしたほどだった。
 ただ途中で咳が出そうになり、大枚かけて撮影中の映像に悪影響が出てはいかんと、喉のかゆみを必死で我慢したのが、とても辛く(こっちはマジでうわっ、うわっの連続だったけど)、実に間抜けであった(笑)
 
 まあ脳は大丈夫でも、病気の種はたくさんある。自戒も込めて、ご同輩、ご自愛を(笑)
 写真は、郵送されてきた診断結果に添付されていた左がMRIの連写の1こま、右はMRAの2こまの1つ。もちろんコピーで画質は悪いけどね。
 写真を見たガイの感想「ふーん意外と脳みそ詰まっているじゃん」だそうですだ(笑)