浅野史郎の行く道は?

 前の宮城県知事で、気仙沼で毎年開催される弊社主催の「大島つばきマラソン」にも必ず出走していた浅野さん。「知事は卒業。福祉に専念する」と言っていたのに、「嫌な都政でござんす」とばかりに、首都東京都の知事選に名乗りを挙げた。
 彼に対する評価は二分される。情報公開をあそこまで進めたのは、手放しで評価したい。一方で、いろいろリップサービスはあったが、気仙沼など地方からは不満の声も多かった。県の財政状況という印籠を出されて、結局は大島架橋建設も、新しい村井知事がやっと「平成20年代半ばの着工」を県議会で明言した。
 浅野さんは軽妙な語り口とパフォーマンスで地方の人気をつなぎ止めた。彼の本丸である政治改革には必要なことだとは思う。
 さて。しかし今回の都知事選への出馬。どうも理解できにくい面がある。彼らしくない。というか釈然としないものが残る。宮城県で知事続けるのは「多選」となるので、潔くやめた。しかし、都で何をする?

 話は変わるが、昨日、わが気仙沼支社長で親会社の総局長が転勤のため、気仙沼市にあいさつのため訪問。
 その時の話。
 鈴木昇市長曰く「浅野さんは都知事ではなく、まずは夕張市長になり、手腕を発揮した方がいいのでは」。
 そして続けて曰く。
 「実績上げたら、次は民主党主にさえなれるのでは」
 
 確かに。財政再建団体となった夕張市を救い、市民のための善政をしたら、それでこそ「政治家」。
 夕張市長として1期でも2期でも務め、道筋をつけたら、それこそ素晴らしい政治家だ。
 改革の旗手として、浅野さんを民主党はそれこそ三顧の礼で迎えるのではないか?
 さすれば都政も、いや国政さえ浅野改革ができるかもしれん。いいか悪いかはああくまでも別だが。

 総局長はこの指摘を聞き、ハタと膝を打ったという。
 恐るべし。鈴木市長!
 選挙に関しては天才的な嗅覚。「選挙に関しては」とは失礼かもしれんが、多分どこかの政治コラムニスト、ニュースコメンテーターがこの指摘したら、一躍、売れっ子になれる。それほどの正鵠を得た指摘である。
 
 それにしても選挙と政治。難しいもんではあるなあ。